当院の訪問歯科診療の特徴

介護が必要な方の中には、歯科医院への通院に困難を感じていらっしゃる方が少なくありません。むし歯や歯周病、入れ歯などについて悩みがあっても、思うように治療を受けられないというケースもあるでしょう。

そうした方々のお力になりたいと考え、私たちは患者様のご自宅や施設に伺って診療を行う「訪問歯科」をご提供しています。

当院の訪問歯科では、持ち運びができる切削機器（歯を削るための機械）である「ポータブルユニット」やレントゲン機器をご用意して患者様の元へ伺います。持ち運べる専用機材をしっかり整えていますから、歯科医院内と変わらない治療をご自宅や施設にいながら受けることが可能です。むし歯・歯周病の治療に加え、抜歯が必要になった際にもきちんと対応できます。

診療時には、訪問歯科専用のヘッドレスト（背板）を持参。背中が曲がってしまっている方でも治療を受けられますので、診療の際の体勢に関しても、きっとご安心いただけると思います。

なお、ご自宅ではなく、施設へ伺っての歯科治療も行えます。ご自宅で介護されている方、ご家族が施設に入所されている方、施設スタッフの方も、是非ご相談ください。充実した設備で診療室内と同じ治療を行えるように努め、患者様のお口のトラブルを解決に導ければと考えております。

歯科医院への通院が難しく、自宅で歯の治療を受けたいとお考えの方は、どうぞ当院へお問合せください。

病院の医師、ケアマネージャー、施設の方、介助されている方、私たちは、こうした方々と密に連携して訪問歯科を行っています。

抜歯などの外科的で大がかりな処置が必要となった際には、必ず医科の医師やケアマネージャーと連携をとっています。また、お体全体の管理、お薬の管理が必要な方の歯科治療にも対応が可能です。

患者様ご本人はもちろん、ご家族や施設の方とのコミュニケーションも大切に考えています。診療に関してご要望がありましたら、気軽にお声がけください。

訪問歯科に力を入れている私たちは、介護保険制定前（2000年以前）から往診に取り組んでまいりました。院長の訪問歯科の経験年数は20年以上（※）に及びます。

ご訪問は基本的に、院長と訪問歯科専任の歯科衛生士の2名体制です。豊富な経験を活かし、患者様のご様子に十分配慮しながら治療を実施。歯科医院に通院できなくても、むし歯や歯周病などのお悩みに対応します。訪問歯科で患者様の歯やお口の状態を改善し、お口の中から全身の健康をサポートしたいと考えています。

ご自宅や施設で受けるとしても、歯の治療はかなりの緊張を伴うでしょう。だからこそ、当院の診療では患者様やご家族の方、施設の方に寄り添うことを重視。患者様のお体の具合とお気持ちに配慮するとともに、ご家族の方・施設の方のお困りごとを解消すべく、じっくりとお話を伺います。豊富な訪問歯科経験を持つ院長が、患者様の緊張を解きつつ施術に努めますので、ご安心いただければと思います。

診療にあたって大切にしているのは、患者様ご本人とコミュニケーションをとり、しっかりと信頼関係を構築することです。歯とお口、そして全身の健康のためにも、訪問歯科の治療・ケアを受けていただけたらと考えています。

当院の院長は、入れ歯の治療を得意としています。ただ単に入れ歯を作るのではなく、その方のお口の機能（舌の力・噛む力・頬の粘膜の動きなど）を十分に見極め、お一人おひとりに合った入れ歯を作製。お口の機能を計測する検査機器も、きちんと揃えております。

噛みやすくフィットしやすい入れ歯のご提供に努めています。今お使いの入れ歯の調整・修理、新しい入れ歯の作製などに関して、もし何かお困りでしたら気軽にご相談ください。

認知症の方やお体に麻痺のある方の場合、お口の健康が全身の健康にまで影響を及ぼすことが多くあります。訪問歯科の経験が少ない歯科医師が担当すると、患者様にそもそもお口を開いてもらえなかったり、うまく治療が進まなかったりするケースもあるのです。

その点、私たちの歯科医院では20年以上（※）の経験を持つ院長が訪問歯科を担当。豊富な経験を活かし、認知症や麻痺のある方に対しても、全身の状態に配慮しながら歯科治療をご提供できます。

ご自宅の他、介護施設に伺って行う治療も可能です。ご自宅で介護をされている方やご家族が施設に入所されている方、施設スタッフの方も、遠慮なくお問合せください。

※2024年現在

介護を必要とされているなど、歯科医院への通院が難しい方の場合、患者様ご本人やご家族の方によるケアだけでお口を清潔に保つのは難しいと言わざるを得ません。

お口を清潔に保てないと、むし歯や歯周病のリスクが増加。むし歯や歯周病を放置していると、口臭が悪化したり、舌・口唇（くちびる）などのお口の機能が低下したりといった問題も生じます。お口の機能の低下は、物を噛んだり飲み込んだりする機能の衰えにつながり、食生活にも影響が及んでしまうのです。

それに対し、きちんとケアを行いお口の健康を保てれば、食事がしやすくなって栄養状態も改善され、全身の健康にもつながります。

当院の訪問歯科診療では、歯科衛生士がお口のクリーニング（清掃）を実施します。プロによるお口のケアで、普段の歯みがきだけでは落としきれない汚れまでしっかり除去。定期的にケアを受けていれば、お口の健康が保てますから、通院が難しい患者様にも気持ち良く日々を過ごしていただけるでしょう。

併せて、患者様ご自身やご家族の方へ、歯みがきの方法、入れ歯のお手入れについてのアドバイスもできます。お体全体の状態に配慮しつつ、無理なく行える方法をご助言し、お口の中から全身の健康を保てるように精一杯サポートします。

歯科医院の定期検診に通えなくても、訪問歯科を利用すれば、ご自宅にいながらお口のケアが可能です。患者様のご自宅のほか、施設や病院への訪問にも対応いたします。施設や病院の中で歯科の診療を希望される場合は、どうぞ遠慮なくご相談ください。

「誤嚥性肺炎（ごえんせいはいえん）」は、食べ物をうまく飲み込めず、唾液や胃液とともに細菌が肺に流れ込むことで起きる肺炎です。この病気は、ご高齢の方が亡くなる原因の一つでもあります。

お口の中のケアが行き届かずに細菌が繁殖すると、誤嚥性肺炎にかかるリスクが増加。ご高齢の方の場合、飲み込む力が衰えてきますから、誤って気管に細菌が入ってしまう可能性も高まります。加えて、加齢による免疫力の低下も、肺炎を余計に悪化させる原因であると言えます。

誤嚥性肺炎の予防の一環として、当院では専用の機械でお口の中の細菌数を調べる検査を行っています。

検査自体は簡単で、1分程度で結果が判定できます。お口の中の細菌数を1～7の数値で判定し、細菌の量を確認。その上で歯科衛生士のケアを受けていただき、どんなサポートが必要かお伝えしています。

年齢を重ねると、物を食べたり飲んだりする「摂食嚥下（せっしょくえんげ）」の機能が低下しやすくなります。食べ物が詰まったりむせたりする症状が見られ始めるのは、摂食嚥下の機能の衰えが原因かもしれません。

スムーズに食事ができないと、お体の健康にも影響が及びます。うまく飲み込めなかった食べ物が、誤って気管から肺に入ってしまうと、誤嚥性肺炎（ごえんせいはいえん）を起こすことがあるのです。

また、食事に時間がかかるせいで十分な量が食べられず、体重の減少につながるケースもあります。さらに、お口の中に食べ物が残っている状態が続くと、むし歯や歯周病を引き起こす原因にも。

そこで当院では、訪問歯科において、摂食嚥下の検査やリハビリを実施しています。実際にお食事されている様子をチェックし、摂食嚥下の機能に問題がないか確認。「嚥下内視鏡検査（VE）」によって、食べ物・飲み物を飲み込むときの動きを調べます。そして、検査の結果を踏まえ、機能回復のためのリハビリや訓練を行います。

併せて、少ない量でも栄養価の高い食事に関するアドバイスも可能です。患者様の状況に合わせ、とろみをつけたり柔らかく調理したりなど、食品の形態調整についてご提案いたします。

摂食嚥下の機能の回復は、誤嚥性肺炎の予防や栄養状態の改善につながります。リハビリ・訓練のスケジュールやかかる費用についてなど、患者様ご自身とご家族様の要望に応じた対応が可能です。

食べ物が飲み込みにくい、噛むのが大変で十分な食事をとれない、こうした悩みをお抱えでしたら、是非ご相談ください。

当院では、外来の診療終了後に訪問歯科を行っております。時間的な制約はございますが、毎日実施していますので、まずはお電話にてご予約をおとりください。予約状況によっては、ご連絡をいただいた当日に伺える場合もあります。

訪問歯科の診療時間の詳細は以下の通りです。日曜・祝日にも診療を行い、平日は21:00まで対応しています。

訪問歯科のご予約は、外来の診療時間内にお電話にておとりください。そのほかのご相談に関しても、もちろんお問合せいただけます。